性格が不一致ならそれは神が原初において定めた結婚の本義に反するので離婚は許されるべきだと17世紀の英国人ミルトンは主張しているが、その主張は、聖書解釈を支える聖愛原則を柔軟に適用し、神学者の記述や市民法の文言を意図的に改ざんして導き出されている。 性格不一致ゆえに離婚可能という現代の考え方の近代的な起源はミルトンに遡れるが、その考え方にはそもそもこのような不実が含まれている。また、こうした離婚事由が1960年代の家族法では認められるようになったが、それは多様化した個人の価値観に対応するための公共的理性の回答であり、離婚可能の議論にまとわりついていた宗教的理由付けとは無関係に成立している。
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