わが国では、障害者の芸術的作品に対してどのような価値の実現を図っていくか、そのための支援はどのような方法が有効かを明らかにすることが、喫緊の課題だと考えられる。 作品の価値を実現していくプロセスを模索するため、国内外の調査を実施し、多様な分野との連携や行政との関係構築のためのヒントを得た。さらに、それを実証するためにインクルーシブ・カフェやシンポジウムを開催し、多様な人々との議論も積み重ねた。 作品を社会へ発信する方法が多様であればあるほど、障害者の選択肢が拡大し、肯定的なアイデンティティの構築につながっていく。こうしたことが、「芸術的表現活動を通じた社会的包摂」の一つの道筋だと考えられる。
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