前近代期末期から近代期初期、戦時期、戦後においての朝鮮人の移住と定住化の形成過程について調査を行った。北海道においてはアイヌ民族との非常に緊密な繋がりを確認した。また、北海道立文書館から明治16年、朝鮮人に対して、鳥獣猟を許可する公文書を発見した。これは明治初期における朝鮮人の定住化を示唆するものと考えられる。朝鮮人の移住と定住化は、幕末や明治期の早い時期から進んでおり、従来の説を根底から覆すものと考える。 また、歴史的背景は異なるが、サハリンにおける朝鮮人とアイヌ民族、その他の先住民との繋がりとアイデンティティーの重層性と複雑さを考察した。
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