研究課題/領域番号 |
24617017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
羽生 浩一 東海大学, 文学部, 准教授 (90433911)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 広報外交 / ノルウェー / ノーベル平和賞 |
研究概要 |
当初の計画通り、平成24年度は(1)資料収集・分析<第一段階:授賞ケースの事例研究>に則り、国内外での資料収集(国内の研究機関、図書館、およびノルウェー、英国などの研究機関、外務省、外交文書アーカイブなど)を行った。国内外での資料収集そして分析を進めて行くなかで、本研究に深い関連性のある重要な知見(近代オリンピックとノーベル平和賞の関係)を得るに至り、研究の取りまとめへの指針の再検討を行うと共に、さらに1974年の佐藤榮作がノーベル平和賞を受賞した際に、受賞工作のために日本がどのような外交を行っていたかの一端を明らかにする機密扱いの外交文書を発見したことで(日本では未公開文書)、研究内容をさらに充実させるための論考を発展させていくことが可能となった。加えて、ノルウェー外務省の広報外交部門から、現在の政府が推し進めようとしているノルウェーの広報外交の戦略についての内部資料も入手出来、今後の研究活動に必要な基本的な文献・資料をそろえ、読み込んでいる段階で、平成24年度の研究活動を終えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第一段階の資料調査結果に基づき、内容の読み込み、今後の研究へ展開するための具体的な検討を行っている。現時点では資料を読み込むことで新たに出てきた重要な視点(近代オリンピックとノーベル賞の深い関連性)などについて、まず研究成果の一部としてまとめる作業を行っている。ノーベル平和賞と広報外交について論じる為には、この比較考察が欠かせないことが新たに得られた知見であり、その資料収集や分析に時間を割いてきた。かような進捗状況のため、日本初のノーベル平和賞の授賞の要因としての沖縄返還についての現地調査を25年度での実施に持ち越すことにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、初年度に文献および資料調査やそれらの分析、海外調査によって明らかになってきた<第一段階:事例研究>を継続しつつ、まだ十分ではない資料調査を進めながら、<第二段階:理論研究>の段階へと進めて行く。また研究成果の一部として、25年度中に、近代オリンピックとノーベル平和賞との深い関連性についてまとめること、また初年度の海外調査で発掘した外交文書および沖縄への調査などをもとに、1974年の佐藤榮作へのノーベル平和賞の授賞についての論考をまとめたい。さらに平成26年度には、<第三段階:総括>として、第二段階で構築した各論を総括しつつ、研究発表を積極的に行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度から平成25年度へ助成金の繰越が発生した理由は、過去一年における資料収集などを読み込み事で新たに得られた知見をもとに研究の進行予定を若干変更し、現地調査(沖縄を予定)を次年度以降に持越したことによる。今年度または来年度での実施を予定している。また、平成25年度の研究費の主な支出は、アメリカならびに欧州への中期出張費(10日~二週間程度)に充てられる。また、資料調査を踏まえて新たに見出された論点に関する資料や、研究データ保存に関わる消耗品・機器などの購入も行う。
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