近年、日本企業の東南アジア諸国に対する関心が高まっている。今までの大企業に加え、中小企業や個人によるビジネスの展開が著しい。しかし、100年以上も前に日本人が東南アジアで経済活動を行っていた事実はあまり知られてこなかった。 本研究は、明治以降東南アジアに進出した日本人の動静と彼らのよりどころになった日本人会の形成とその発展に関し、インドネシアのメダンとシンガポールについて明らかにした。また、ほとんど痕跡を残さなかった日本人商人の中で、大量の写真絵葉書を制作した日本人写真師と日本商店の存在を明らかにし、市民レベルの日本・東南アジアの交流史の一側面を詳らかにした。
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