研究課題/領域番号 |
24617023
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
金本 伊津子 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (60280020)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | マイグレーション / エイジング / 高齢者ケア / ナラティブ / 在外日本人・日系人 / 国際結婚 / イギリス:ドイツ / 文化人類学 |
研究概要 |
1. 本研究は、国際移動(グローバル・マイグレーション)によって、老後をヨーロッパ多文化社会で迎える日本人・日系人の老いと高齢者ケアの経験に焦点を当て、老年期における文化喪失と母文化へ回帰する過程に文化人類学的な考察を与えるものである。 2.2012年度においては、9月よりオックスフォード大学(Centre on Migration, Policy and Society, University of Oxford)に客員研究員として在籍しながら、イギリスとドイツにおけるフィールドワーク調査を実施した。 (1)イギリスにおいては、英国日本人会(Japan Association in the UK) の福祉部の活動にアドバイザーとして関わりながら、主に国際結婚をして長期にわたってイギリスに居住している日本人高齢者、または、イギリスにおける高齢者介護を経験した日本人女性などにインタビューを実施した。また、イギリスにおける日本人コミュニティの歴史的資料を収集した。 (2)ドイツにおいては、各地に設立されている「老後を考える会」(「竹の会(デュッセルドルフ)」「ハンザ連絡会(ハンブルグ)」「ライン・マインの会(フランクフルト)」「ミュンヘン友の会(ミュンヘン)」「ライン・ネッカー友の会(ハイデルベルグ)」「まほろばの会(シュトゥットガルト)」「DeJak友の会(ボーフム)」)の活動を参与観察するとともに、会員(主にドイツ人と結婚をしている日本人女性)の老いと高齢者ケアの経験に関するインタビューを実施した。また、トルコ系、ベトナム系、韓国朝鮮系コミュニティの高齢者施設を訪問した。 3.2013年度に実施予定のスイスとオランダにおけるフィールドワーク調査の準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.研究代表者が、ドイツにおけるフィールドワーク調査実施中(2013年1月21日)に膝蓋骨折をしてしまい、その治療とリハビリテーションに専念しなければならなかったため、調査予定に若干の支障が生じたが、全体としてはおおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
1.2013年6月14日にスイス・ベルン(在スイス日本国大使館)で開催される「第6回欧州日本人連絡会会議:在欧州邦人の高齢入居施設、訪問介護の可能性を探る」に出席し、ヨーロッパ多文化社会における在留日本人コミュニティの高齢化の現状とその問題点を把握する。 2.イギリス・ロンドンにおけるフィールドワーク調査を継続するとともに、JAPAN FOUNDATION・Local Projectとして、英国日本人会とともに、ロンドンにおける日本人高齢者の現状とその問題点を把握するためのアンケート調査を実施し、その結果に基づいたセミナーを開催する。 3.スイスおよびオランダにおけるフィールドワーク調査を実施する。 4.以下で研究発表(口頭)を行う計画である。 (1) COMPAS Work in Progress Seminars(Centre on Migration, Policy and Society, University of Oxford) (2) The 17th World Congress of International Union of Anthropological and Ethnological Sciences (3) British Society of Gerontology 2013
|
次年度の研究費の使用計画 |
1.スイス・ベルン(在スイス日本国大使館)で開催される「第6回欧州日本人連絡会会議」に出席するための諸経費。 2.イギリス(ロンドン中心)、スイス、オランダで実施するフィールドワーク調査の諸経費。 3.学会発表等、研究発表を行うための諸経費。 4.ロンドンにおける日本人高齢者の現状とその問題点を把握するために、JAPAN FOUNDATION・Local Projectとして、英国日本人会とともに実施する予定のアンケート調査の結果を報告書として発表する諸費用。 5.マイグレーション関連、エイジング関連の書籍・論文などの購入費。
|