本研究は、欧州諸国における洪水マップの策定状況と利用実態を調査し、洪水マップが各国の土地利用関連施策(土地利用計画・規制、権利補償、保険制度との連動など)にどのように活用されているかを把握するとともに、日本における水害リスク低減策のあり方を検討したものである。 具体的には、特にオーストリアの状況を詳細に調査して、土地利用関連施策を水害リスク管理計画において体系的に位置づけたうえで、複数の洪水マップを役割分担させて活用していることなどを明らかにした。また、日本の先進事例として、滋賀県の流域治水条例、東京低地の高規格堤防事業を調査し、土地利用関連施策を通じた水害対策の可能性と課題を指摘した。
|