前年度に引き続き、団地再生を契機として改善・導入すべき空間資源の検討、順次更新型再生プロセスのケーススタディを行った。 まず再生のシナリオを複数作成した。具体的には1)全面かつ各住棟の個別建替を前提としたもの、2)従前の建物タイプを参考に従前建物群から複数の集約建物へと建替えるもの、3)1)および2)の併用型として団地内の区域を分けて再生を進めるものの3パターンを想定した。 その上で、GIS・CADを用いた各パターン別の団地建物モデルを作成し、(1)空間資源の保存の要件、(2)住民の住み替えパターン(住棟間の転居・居住階の変更など)、(3)事業スキームなどを考慮して、再生プロセスのシミュレーションを行った。その結果、要件(1)と住み替えの効率性(2)のどちらを重視するかによって望ましい再生プロセスが異なることなどが明らかとなった。 また実際の立て替え事例の評価として、一団地の住宅施設の変更例を調査し、変更前後の住環境比較を行い、上記の知見と併せて、団地更新における地域価値向上方策の提言をまとめた。
|