公的住宅は我が国の住宅政策において重要な役割を果たしてきたが、今日では量的な住宅ストックという意義に留まらず、貴重な地域資源となっている。一方で開発から年を重ねた公的住宅団地は建替や大規模修繕による再生が急務となっているが、地域資源としての価値を保全しながら事業を進める必要がある。このような背景から本研究は順次更新型団地再生における地域価値維持・向上の方策を検討した。 具体的には、まず公的住宅団地の状況と課題を踏まえた再生方針との相違を確認し、次に団地の空間資源の分析と評価および改善・導入すべき空間資源を検討し、そして順次更新型再生プロセスの要件と担保手段について考察・提言を行った。
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