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2014 年度 実績報告書

住宅価格モデルにおける時間,年齢および世代効果の分離手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24618008
研究機関富山大学

研究代表者

唐渡 広志  富山大学, 経済学部, 教授 (00345555)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード住宅価格指数 / リピートセールス法 / 世代効果
研究実績の概要

本研究は,住宅価格形成における時間効果,年齢効果および世代効果の分離手法の開発を試みた。住宅の取引時点,建築後年数および竣工時点の間には,取引年次 = 建築後年数 + 竣工年次,なる関係が成立するため,回帰モデルでは完全な線形関係が生じてしまう。したがって,多重共線性によって三つの効果(年齢効果,時間効果および世代効果)を識別することが不可能になる。
唐渡 (2014) は世代効果を合理的に除去することができるリピートセールス法に基づく価格指数計測方法を提案した。リピートセールス法はセレクションバイアスが生じている可能性があるため,この論文ではこれを修正した推定方法を提案した。先行研究では,セレクション関数とリピートセールス回帰モデルとの間の共分散が通時的に一定であると仮定しているが,住宅の売り手が直面する経済状況は年々刻々と変化していることを考慮すると,実際には誤差構造が変化している可能性があるため,誤差項におけるランダム・ウォークを仮定し,取引期間を長期化すればするほど,誤差分散が拡大するケースでのセレクションの除去を行った。
さらに,ランダム・ウォークではなく系列相関および分散不均一を持つ誤差構造のもとでのセレクションの除去を行った。先行研究におけるRS法の分散不均一特定化手法を利用して,誤差項がランダム・ウォークであるのかどうかを検証するとともにセレクションの除去を行った。この場合でもセレクションバイアスを制御した場合のリピートセールス回帰モデルとセレクション関数の相関は有意に負であり,2回取引された物件の価格指数は負のバイアスを持つ可能性があることを示した。したがって,リピートセールス法は,世代効果を除去する有用な手段ではあるものの,その価格指数には住宅市場の母集団に比べて負のバイアスが生じている可能性があるといえる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 経済学からみた都市計画規制--規制緩和がもたらすメリット2014

    • 著者名/発表者名
      唐渡広志
    • 雑誌名

      都市計画

      巻: 63 ページ: 24-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リピート・セールス価格指数におけるセレクション・バイアス2014

    • 著者名/発表者名
      唐渡広志
    • 雑誌名

      同志社商学

      巻: 66 ページ: 24-47

  • [雑誌論文] Nonlinearity of Housing Price Structure: The Secondhand Condominium Market in the Tokyo Metropolitan Area2014

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Shimizu, Koji Karato and Kiyohiko Nishimura
    • 雑誌名

      International Journal of Housing Markets and Analysis

      巻: 7 ページ: 459-488

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1108/IJHMA-10-2013-0055

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 住宅価格の空間的波及2014

    • 著者名/発表者名
      唐渡広志
    • 雑誌名

      一般財団法人土地総合研究所編『超金融緩和期における不動産市場の行方』

      巻: 1 ページ: 158-174

  • [学会発表] 高齢社会における不動産開発:「地方都市における問題点の提起2014

    • 著者名/発表者名
      唐渡広志
    • 学会等名
      日本不動産学会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-23
  • [学会発表] Semiparametric Estimation of Time, Age and Cohort Effects in a Hedonic Model of Housing Prices2014

    • 著者名/発表者名
      唐渡広志
    • 学会等名
      ポリシーモデリングワークショップ
    • 発表場所
      金沢星稜大学
    • 年月日
      2014-05-31 – 2014-05-31
  • [備考] 研究業績

    • URL

      http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/research.htm

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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