高度成長期に全国各地の都市郊外において開発された戸建て住宅地では、近年になって、少子高齢化の進行によるオールドタウン化、スーパー撤退による買い物難民化、空き家・空き地の増加によるスラム化などの危機に直面している。本研究では、こうした郊外住宅地の持続へ向けた方策に関するモデルスタディを行った。特に、従来のようなマイホーム志向の核家族の入居のみを期待するのではなく、中古住宅のリノベーションによる新たなライフスタイルの入居者とのミックス、あるいはコンバージョンによる多様な用途(カフェ等)のミックスなど、均質な空間・社会の郊外を「再定義」することにより継承の可能性が生まれることを明らかにした。
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