研究課題/領域番号 |
24618012
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
新井 信幸 東北工業大学, 工学部, 准教授 (20552409)
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研究分担者 |
米野 史健 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, その他 (60302965)
古山 周太郎 東北工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80530576)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 民間賃貸 / 借り上げ仮設住宅 / 居住実態 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、借り上げ仮設における退去実態の把握のため、①仙台市内の災害公営住宅入居者へのアンケート調査(配布数312、回収率77.2%)を実施した。また、退去時における困難事例の把握に努めたが、借り上げ仮設住宅で適当な被験者を抽出することができなかったため、②仙台市内のプレハブ型仮設住宅の縮退期に残された世帯へのアンケート調査(配布数55、回収率78.2%)の分析から、借り上げ仮設の退去時の課題などを想定する作業を行った。さらに、本研究の現段階の総括として、借り上げ仮設住宅の制度・仕組みの改善策等の検討を行った。 災害公営住宅アンケートでは、借り上げ住宅からの入居世帯が約6割、退去時に困ったという世帯は2割弱で、全体的には、退去に困難が生じたケースは少なかった。 プレハブ仮設の退去困難事例については、災害公営住宅への入居希望世帯において、単身高齢者、障害者のうち抽選に落選した者、また罹災証明が入手できず入居資格が得られなかった世帯で、退去後の住まいが確定できず、不満や不安を募らせている状況がみられた。仙台市では災害公営住宅以外の入居先の確保のための相談対応などを行っているが、空室が少ない状況が続き、家賃の高騰もあり、厳しい条件のなかでの物件探しとなっていた。さらに入居拒否等もみられており、単身高齢者や障害者等は退去後の住宅確保が困難な状況が伺えた。なお、借り上げ仮設の場合、現住まいの家主に継続居住を交渉する可能性もあるが、そうした事例の調査は実施できなかった。 最後に、借り上げ仮設住宅への支援策等については、都市部・地方部における賃貸住宅市場の状況が大きく異なり、地域の実情に合わせた支援体制の構築が必要なこと、また入居時には混乱が大きく、物件と世帯とのミスマッチが発生していることから、借り換えを可能にする等の制度改正が求められることなどが指摘できる。
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