本研究の目的は、日本人の遺産動機(子供に資産を残す意向の有無)において、持家の流動性が影響を与えているか否かを検証することである。 本研究の目的に対し、研究期間内において、遺産動機、および持家の活用(売却や賃貸等)に関する意識調査を実施し、持家の活用が難しいと意識している人ほど、子供に資産を残したい、すなわち遺産動機が強められていることを明らかにした。 従来の遺産動機の研究では、個人の属性や家族関係に注目した分析が主流であったが、本研究の研究成果は、日本人の遺産動機が、市場(具体的には中古住宅市場の発達度)にも影響されていることを初めて明らかにしたものである。
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