研究課題/領域番号 |
24619001
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
赤間 邦子 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (50114228)
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研究分担者 |
井上 順雄 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員教授 (50159985)
中山 孝 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90150060)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 細胞外マトリックス / 受容体 / 細胞骨格制御 / 神経幹細胞の増殖 / 細胞伸長 |
研究実績の概要 |
胚性幹 (ES) 細胞の自己複製性・分化万能性の特徴については多くの報告があるが、神経幹細胞の成立・分化基盤は未解明の部分が多い。本研究では、ES細胞から、一方向的神経分化誘導法であるneural stem sphere法を用いて分化させた前期神経幹細胞 (eNS)、 及び、後期神経幹細胞 (lNS) への神経分化過程のプロテオーム解析を行い、神経幹細胞への分化過程におけるタンパク質基盤の確立を目指した。 ES細胞、eNS、及び、lNSから抽出したタンパク質を蛍光標識し、二次元電気泳動により分離後、発現に有意差のあるスポットのタンパク質をトリプシン消化し、質量分析(MS/MS)にかけて同定した。その結果、(1)ES細胞からeNSにかけて発現量が増加しているものにcoactosin-like protein等が、(2)ES細胞からlNSにかけて発現量が増加しているものにcalbindin 等が、(3)ES細胞からlNSにかけて発現量が減少しているものにthioredoxin等が見出された。Calbindin についてはウェスタンブロットでタンパク質量の、リアルタイムPCR分析でmRNAの発現量増加を確認した。また、SDS-PAGEで分離後、トリプシンによるゲル内消化で得られたペプチドをLC-MS/MSにかけてタンパク質を同定した。そのうち発現差があるものをDAVID法により機能ごとに分類し、代謝経路探索を行った。その結果、ES細胞からeNSにかけては細胞外マトリックス-受容体相互作用や細胞骨格制御が増加し、eNSからlNSにかけては細胞外マトリックス-受容体相互作用は減少するものの、分化した神経幹細胞の増殖や遺伝子の転写、細胞伸長などが盛んに行われることが示唆された。
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備考 |
千葉大学理学部/大学院理学研究科 化学コースの各研究室へのリンク
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