質量分析法で分析物のキラリティーを評価する手法を確立することを目的とし、同位体標識光学活性ホスト化合物を活用した。光学活性アンモニウムイオンをゲストとするキラルクラウンエーテルなどの同位体標識・非標識エナンチオマー対を合成した。また、遊離のアミノ酸をゲストとした光学活性四座配位子銅錯体も合成した。高速原子衝撃質量分析でキラルアンモニウムイオンに対する合成ホスト対のキラル識別能を簡便迅速に評価できた。また、ゲストのステレオセンター近傍の嵩だかさに依存して、キラル識別能は大きくなった。質量分析の結果とゲストの立体因子の間で相関関係を多変量解析法で見出すことができた。光学純度決定も行うことができた。
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