宇宙での植物栽培は長期の有人宇宙活動を支えるために必須であり,これを成功させる為には,植物の生活環に重力が与える影響について明らかにしていく必要がある.しかし特に,生殖生長に関してはほとんどわかっていないため,その手がかりを得るため,まず過重力刺激を与えたシロイヌナズナ花芽のトランスクリプトーム解析を行った.その結果,花粉の発芽・伸長や,種子の物質貯蔵に影響を及ぼす可能性のある遺伝子発現が変化することが示された.また,宇宙試料の非破壊観察を念頭に置き,X線CT法を用いた三次元観察の条件検討を行った.また長期間の過重力を与えて植物を栽培する装置の開発・改良と,これを用いた実験系の確立を進めた.
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