二つの異なる経路によって誘導されるバイスタンダー効果の線質依存性を解明するために、重イオン(炭素、ネオン、アルゴン)、X線およびプロトンの各種放射線マイクロビームを用い、公的な細胞バンクより入手したヒト由来正常細胞の細胞死と遺伝子突然変異に対するバイスタンダー効果を明らかにする研究を実施した。得られた成果は以下のようにまとめられる。(1)炭素イオン照射試料ではギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構によるバイスタンダー効果が観察された。(2)アルゴンイオン照射試料ではマイクロビーム照射試料よりメディウム中に湧出する液性因子によるバイスタンダー効果誘導が照射後24時間で観察された。
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