研究課題/領域番号 |
24620016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
本田 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90399460)
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研究分担者 |
本田 修二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40100127)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 宇宙 / 老化 / 寿命 / 線虫 |
研究概要 |
宇宙環境において線虫の老化速度と寿命を測定するための、動画撮影およびデータ転送を自動化したシステムを構築している。動画撮影には線虫用に設計・作成した既存の観察装置と培養容器を用いたが、宇宙実験にはさらに小型化したシステムが複数必要であることがわかった。そこで既存装置と同じ基板カメラを2機搭載したユニットを複数作製し、より多くの試料を撮影出来るようにした。さらに観察面全体がカメラの視野に入るように、培養容器の容積を既存の1/10に小型化することを計画した。小型化にするにあたり、線虫が容器外に出たり、気泡が生じて観察が困難になる等の問題が生じたが、ほぼ解決し、小型培養容器の試作品は概ね完成している。 宇宙軌道上で線虫を培養・凍結し、地上帰還させる培養バッグを検討した。既存の培養容器では凍結・融解に時間がかかりすぎ、RNAの品質が劣化することがわかったため、線虫の挿入および培養、凍結、融解が容易なプラスチック製のバッグを試作した。このバッグを用いて線虫を種々の過重力、クリノスタットによる疑似微小重力下で培養し、遺伝子発現を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、既存の撮影装置と培養容器を用いて宇宙実験の予備実験を行う予定であったが、実際に老化速度と寿命を測定したところ、視野の選択が難しい宇宙実験においては、最初から全部の個体が視野に入る、複数の観察装置が必要であることがわかった。また宇宙軌道上で線虫を培養・凍結し、地上帰還するための培養バッグも検討する必要が生じた。そこで本年度は撮影装置と培養容器、および培養バッグの改良を優先して行うことにした。そのため、当初予定していた過重力とクリノスタットによる疑似微小重力下における遺伝子発現の解析実験を行うことが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で撮影装置と小型培養容器がほぼ完成したため、今後はこれらを用いて実際に宇宙実験のシミュレーションを行い、線虫の老化速度と寿命を測定していきたい。地上帰還のための線虫培養バッグも試作品が完成したため、これを用いて、種々の重力条件下における遺伝子発現解析実験を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度にリアルタイムRT-PCR用のサーマルサイクラーを購入し、総予算の93%を執行した。次年度の予算は分子生物学実験用キットおよび試薬等の消耗品購入に充てる予定である。
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