研究課題/領域番号 |
24620016
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
本田 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90399460)
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研究分担者 |
本田 修二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40100127)
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キーワード | 線虫 / C. elegans / 老化速度 / 寿命 / 宇宙環境 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、宇宙環境における線虫の老化速度と寿命を測定するための動画撮影およびデータ転送を自動化したシステムを構築した。宇宙ステーションきぼう実験棟のインキュベーターに装着できるサイズに小型化した線虫用の観察装置と培養容器、及びそれらを固定できる箱を試作した。宇宙軌道上で線虫を培養・凍結し、地上帰還させるためのプラスチック製バッグを試作した。これらの容器中に宇宙実験で用いる線虫用液体培地(CeMM)を入れて線虫を飼育し、老化速度と寿命を測定して生存曲線を描いた。この結果をもとに動画撮影のタイミング、プラスチック製バッグの凍結時期と回数を検討した。 宇宙環境における線虫の老化について、英語論文1報、日本語総説1報を発表し、近日中に国際集会および国際シンポジウムで報告を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
宇宙軌道上における線虫の老化速度と寿命測定のためのシステムはほぼ完成し、近日中に実際につくば宇宙センターにおいて線虫飼育の予備実験を始める予定である。線虫培養容器はよりコンパクトな型打ち式のものが製作できたが、作製時に壁面と膜の間に隙間が生じ、ここに線虫が入り込んで観察個体の数が少なくなるという問題が起きている。現在膜を押し付けるなどして隙間を除く対策を検討している。観察容器で撮影される動画の画質は当初より改善されてきているが、並行して開発している線虫の行動解析用ソフトウェアを用いて問題なく解析するにはさらに改良する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
当初平成26年末に予定されていた宇宙実験の開始が、打ち上げ延期のために大幅に遅れており、見込みでは早くて来春になる予定である。それまでに線虫の観察容器をより鮮明な映像を撮影できるように改良を重ねる。また現在改良中の観察容器が完成したらCeMM中で線虫の寿命を何度か測定して生存曲線を描き、効果的な動画撮影のタイミングを検討する。さらに凍結用プラスチックバッグを用いて線虫を培養し、遺伝子解析のために充分なRNA量を抽出する最善の方法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初宇宙実験に用いるものと同じ容器を使って線虫を培養し、遺伝子発現解析を行う予定であったが、観察容器と凍結保存容器の完成が遅れ、本年度予算の大部分を占めていた遺伝子発現解析実験が次年度に持ち越されたため。 当初平成26年末に予定されていた宇宙実験の開始が、打ち上げ延期のために大幅に遅れており、見込みでは早くて来春になる予定である。 そこで宇宙実験の実施までに、線虫の観察容器についてはより鮮明な映像を撮影できるように改良を重ねる。また現在改良中の観察容器が完成したらCeMM中で線虫の寿命を何度か測定して生存曲線を描き、効果的な動画撮影のタイミングを検討する。さらに本年度改良した凍結用保存容器を用いて線虫を培養し、遺伝子発現解析のために充分なRNA量を抽出する最善の方法を検討し、DNAマイクロアレイ解析を行う。
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