研究課題
昨年度までに100名を超える閉塞型睡眠時無呼吸患者の血中好中球ゼラチラーゼ結合性リポカリン(neutrophil gelatinase-associated lipocalin:NGAL)濃度を測定し、血中NGALは睡眠時無呼吸の治療前重症度と相関していたが、治療後に有意な変化を示さなかったという知見を学会発表、論文化した(PLos One 2013; 8(1):e54184)。本年度は腎機能と関連深い、血管内皮機能と閉塞型睡眠時無呼吸の関連を検討した。閉塞性睡眠時無呼吸患者133人を対象に血管内皮機能との関連を検討した。血管内皮機能はReactive Hyperemia Peripheral Arterial Tonometry (RH-PAT)を利用し、反応性充血指数(Reactive Hyperemia Index :RHI)RH-PATを用いて測定した。RHIは無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index : AHI)と有意な相関を認めた(r=-0.24、P=0.0055)。多変量解析にて重症OSA (AHI≧30)はRHIの独立した寄与因子であった(P=0.024、R2=5.4%)。サブグループ解析として重症OSAと内臓脂肪型肥満(内臓脂肪面積≧100cm2)の有無にて4群に患者を分けRHIを比較した結果、重症OSAと内臓脂肪型肥満を合併した群は、両者を認めない群よりRHIは有意に低値であり(P=0.016)、また内臓脂肪型肥満単独の患者群と比べても、RHIは有意に低値であった (P=0.042)(Circulation J in press)。また、閉塞型睡眠時無呼吸の特徴である間欠的低酸素の細胞障害と修復過程の影響を継続研究している。
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Circ J
巻: in press. ページ: in press.
http://dx.doi.org/10.1253/circj.CJ-14-1303