研究課題/領域番号 |
24621006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
堀口 淳 島根大学, 医学部, 教授 (90136317)
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研究分担者 |
岡崎 四方 島根大学, 医学部, 助教 (20379671)
安田 英彰 島根大学, 医学部, 助教 (30379680)
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 准教授 (50284047)
和氣 玲 島根大学, 医学部, 講師 (60609262)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 周期性四肢運動 / 脊髄自動反射 / バビンスキー反射 / ワルテンベルグ反射 / アカシジア |
研究概要 |
1)周期性四肢運動の記録方法の検討 ①脊髄自動反射:大腿四頭筋・大腿二頭筋・前脛骨筋における筋部、腱・関節部での表面筋電図記録を検討した。健常者に種々の筋群を同時にモニターし、股・膝・足関節の同時また個々に屈曲・伸展させ日中動作の違和感について検討した。大腿二頭筋では十分なモニターができず、前脛骨筋ではバビンスキー反射類似運動においても陽性の反応がでる為大腿四頭筋筋部での記録を採用した。②バビンスキー反射類似運動:下腿前面の長指・長拇指伸筋や背面の長指・短拇指屈筋等による複雑な複合運動である為、短拇指前面の長拇指伸筋遠位端の腱停止部付近における記録とした。ジャイロセンサーによる運動記録も検討したがセンサーのサイズや脳波計記録との同期の問題から表面筋電図による腱の動きを記録することとした。日中の活動や夜間睡眠における不快感軽減の為、バビンスキー反射において過伸展する短拇指のみの記録を採用した。③ワルテンベルグ反射類似運動:前腕の短母指屈筋を中心とした運動であるが、この筋部で筋電図を記録すると日中の動作に大きな制限がかかった。この為短母指の屈曲を伸展筋側で記録することとし、手掌後面の長母指伸筋の腱において表面筋電図センサーを配置することとし母指背面の指骨での記録を検討した。以上から、3種の周期性四肢運動をすべて筋電図で記録することが可能なことを確認し、ビデオ記録によって病態記録を実施できることも確認できた。 2)24時間以上の連続記録方法の検討 本研究ではポータブル脳波計であるPolymateIIを用いて4名の被験者を対象にモニターとして仮眠時の睡眠脳波を記録し短時間でのセンサー装着と良好な睡眠脳波を記録・確認することができた。2名のモニターにより12時間以上の脳波記録を実施し、安静時、自動車運転中や睡眠時など日中や夜間の脳波記録が可能であることを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
24年度は、周期性四肢運動の記録のため、各種の周期性四肢運動を記録する方法および、筋電図、脳派などの24時間以上の連続記録方法について検討した。 アカシジア患者にみられる周期性四肢運動には、①脊髄自動反射、②バビンスキー反射類似運動、 ③ワルテンベルグ反射類似運動の3つの運動形態がある。これらの不随意運動を詳細に記録するため、表面筋電図によるモニターを選択した。その結果、3種の周期性四肢運動をすべて筋電図で記録することが可能なことを確認し、補助的にビデオ記録によって病態記録を実施できることも確認できた。また24時間を超える脳波・筋電図記録の検討では、日中の活動によって当研究のための脳波・筋電図記録が制限されることなく可能であり、従来の脳波計と比較しても装着時の違和感・不快感を減少できることも明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度および26年度は、24年度の検討結果をもとに、以下の検討を実施する 1) 研究対象患者を選択し、24年度と同様に、協力の要請とインフォームドコンセントを得て、錐体外路症状の重症度の評価と終夜睡眠ポリグラフ検査を実施する。 2)バビンスキー反射類似運動とワルテンベルグ反射類似運動および脊髄自動反射運動のそれぞれの単独運動数(/h)、2つの運動重複群数(/h)および3つの運動の「複合周期性四肢運動」(/h)を計測する。 3)錐体外路症状の重症度と、上記で得られた周期性四肢運動とその複合運動の組み合わせ別の発現率との相関を検討する。 4) 以上の検討結果を総括し、周期性四肢運動の3つの運動のうち、各々が単独で発現したり、2つずつの組み合わせで発現する周期性四肢運動の発現、あるいは3つの運動が同期して出現する「複合周期性四肢運動」ともいうべき運動の発現頻度とアカシジアの重症度との関連を検討し、アカシジアの病態の解明のためには周期性四肢運動の神経学的な分析が重要であることを明らかにして、総括する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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