研究実績の概要 |
平成26年度(最終年度)は、パーキンソン病発症のバイオマーカーの一つとして注目されている特発性レム睡眠行動異常症の患者における黒質線条体ドパミン神経機能について経年的な評価を行うために、前年度までにベースラインの検査が終了している特発性レム睡眠行動異常症の患者を対象に、フォローアップのFMT-PET検査をした。黒質線条体ドパミン神経機能の経年的変化と臨床的背景因子の経年的変化を併せて評価するため、認知機能、運動機能、嗅覚識別能、色彩識別力などの臨床背景因子に関するデータの取得も行った。認知機能は、Mini-Mental State Examination(MMSE)、運動機能は、Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(UPDRS)part Ⅲ、嗅覚識別能は、カード型の嗅覚同定検査(Open Essence 嗅覚研究用)、色彩識別力は、Farnsworth-Munsell 100 Hue Testによる評価を行い、一部の症例では、心臓交感神経機能の評価のため、MIBG心筋シンチグラム検査を施行した。これらのデータを収集し、特発性レム睡眠行動異常症および健常対照者の2群間の黒質線条体ドパミン神経機能の経年的変化を解析し、臨床背景因子の経年的変化と対比した。研究成果を、平成27(2015)年3月に、韓国ソウルで開催された第6回国際睡眠医学会議(6th World Congress on Sleep Medicine, World Association of Sleep Medicine: WASM 2015 in Seoul, Korea)のシンポジウム(招待)にてシンポジストとして報告した。
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