ナルコレプシーは免疫機序に深く関与するHLA分子のDQB1*0602との強い関連により病態への自己免疫機序の関与が示唆されてきた。さらにナルコレプシーにおいて特徴的に減少する視床下部神経オレキシン産生細胞に高発現するTRIB2がナルコレプシーの自己抗原候補として報告された。しかしながら、TRIB2抗体がオレキシン神経細胞への障害性(原因)を持つのか、細胞成分が末梢に増大した結果であるのかは明らかになっていない。本研究は抗TRIB2自己免疫反応性ラットを作出することで、自己免疫機序によるナルコレプシーの発症を証明し、更にこの動物モデルを用いナルコレプシーの病態を探ろうとするものである。
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