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2014 年度 実施状況報告書

動力学的アドホックネットワークの萌芽

研究課題

研究課題/領域番号 24650001
研究機関東北大学

研究代表者

徳山 豪  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (40312631)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードアルゴリズム / 計算幾何学 / アドホックネットワーク / キネティックデータ構造
研究実績の概要

平成26年度には、3本の学術論文を専門誌に発表した。2編は国際的に著名なTheoretical Computer Science誌である。
アドホックネットワークに関連する研究者との国際共同研究を重点的に実施した。まず、Anne Driemel博士、Ulrich Bauer博士の2名の若手研究者との討論を26年6月におこなった。これは京都で研究代表者が主催したSOCG国際会議の開催に合わせたもので、国内滞在費を負担した。また、27年1月には、山形県蔵王において1週間のワークショップを開催し、その中で動的なクラスタリングに対する研究討論を行った。韓国、中国からの海外参加者の国内滞在費の一部を研究費から拠出した。これに関する成果は、韓国POSTECHの博士後期学生Sun Sub KimやHee Kap Ahn教授との共同研究として準備中である。また、キネッティックデータl構造に関する若手研究者のMarcel Roeloffzenを雇用(雇用費用は大学運営費から)し、研究の強化を図った。さらに、幾何学ネットワークの専門家であるShakar Smorodinsky教授とMattiew Katz教授(イスラエル、Ben Gurion大学)を東北大学に1週間招聘(招聘費用は別経費)し、Kinetic Geometric Hypergraphに関する研究を行った。これに関しては継続して研究を続けており、成果は次年度に論文として発表する予定である。
また、ERATOの巨大グラフプロジェクトと共同でセミナーを実施し、本研究において最も中心的になるアドホックネットワークに関する調査を行うとともに、θグラフを用いた新しいルーティングアルゴリズムを開発した。
2色最小木問題に関する成果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

次世代のネットワークの基本要素として、また、災害時緊急ネットワークとして、アドホックネットワークは非常に大きな期待を持たれる情報通信形態である。これは、幾何学的に配置され、移動する情報通信ノードが互いに通信するネットワークであり、計算幾何学で用いられる様々な幾何学的グラフが用いられている。しかし、移動幾何構造としてのアドホックネットワークの理論解析は現状では未開であり、本研究では、キネティック(動力学的)な移動体管理の理論手法を取り入れた新しいアドホックネットワークの理論的手法体系を世界に先駆けて実現することをめざし、次世代スマート社会での実用化に貢献することを目的として研究を進めている。
本テーマに最も深くかかわる国際学会ALGOSENSORSや、国際的専門誌に論文が掲載されるなど、コンスタントに論文発表を行っている。
テーマであった理論研究に関しては十分な成果である。 現実のシステム実装に関しては、研究代表者は東北大学にネットワークアルゴリズムセンターを設立し、その主催者として、現実のアドホックネットワークのインフラストラクチャに関わる研究者との相談や意見交換を開始しており、この点でも予定通りの進展を行っている。
更に、国際共同研究体制も確立し、この萌芽研究を基盤にして、平成27年度からは基盤Bで「非決定性を含む動力学的計算機科学の理論と応用」という課題に発展させてより大規模に研究を行うことが決定している。従って、当初の計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

本来は26年度までの3年間の研究の予定であったが、26年度にイスラエルのSmorodinsky教授、Katz教授と共同研究を開始した、キネティックハイパーグラフの研究の継続を行い、論文作成をするために、1年延長して研究を行う。また、2月に招聘予定であったが、来日が取りやめになった カナダ カールトン大学のJit Bose教授のグループとの共同研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

アドホックネットワークおよび動的計算幾何学に関して、2014年度に招聘する予定であった海外研究者が来日できなくなり、2015年にを招聘する。特に動的な領域検索問題に関して、2014年度に海外研究者との共同研究を行い、新たな知見を得た。現在その成果の論文を作成する作業を行っており、そのために研究を継続する必要が生じた。また、この成果を発表するために必要な経費も2015年に使用する。

次年度使用額の使用計画

2015年の8月にカナダ カールトン大学のJit Bose教授、またはその研究チームの研究員を招聘する。その旅費として約40万円を使用する。また、上記理由にある、新たに得た知見を元に論文を作成し、アドホックネットワークの国際会議であるALGOSENSOR2015に論文を投稿し、その発表経費として残額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] A Unified View to Greedy Geometric Routing Algorithms in Ad Hoc Networks2014

    • 著者名/発表者名
      Jinhee Chun, Akiyoshi Shioura, Truong Minh Tien, Takeshi Tokuyam
    • 雑誌名

      IEICE Transactions

      巻: 97-A(6) ページ: 1220-1230

    • DOI

      10.1587/transfun.E97.A.1220

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Efficient algorithms for network localization using cores of underlying graphs.2014

    • 著者名/発表者名
      Meng Li, Yota Otachi, Takeshi Tokuyama:
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 553 ページ: 18-26

    • DOI

      doi:10.1016/j.tcs.2014.02.020

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Order-preserving matching2014

    • 著者名/発表者名
      Jinil Kim, Peter Eades, Rudolf Fleischer, Seok-Hee Hong, Costas S. Iliopoulos, Kunsoo Park, Simon J. Puglisi, Takeshi Tokuyama:
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 525 ページ: 68-79

    • DOI

      doi:10.1016/j.tcs.2013.10.006

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-03  

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