研究実績の概要 |
ゲーム・パズルに関する劣線形時間アルゴリズムを中心に、これまでに無い枠組みの提示という視点から研究を進めてきた。(I) ケーキ分割問題とはn人のプレイヤーの間で、一つのケーキを公平に分割する問題であるが、これを劣線形時間で解くという試みに挑み以下の結果を得た。まず枠組みを以下のように与えた:第一ステップでr=o(n)人のプレイヤーに対し、o(n)時間でケーキを分割する。そして第二ステップで残りのプレイヤーのうちεn人を除くn-r-εn人に対しpoly(n)時間でケーキを分割する。残ったεn人は犠牲者であり、この考え方(近似法)を「εn犠牲」と名付けた。そしてこの枠組みの中での劣線形時間アルゴリズムを与えた。本結果は国際会議The 8th International Conference on Fun with Algorithms (FUN 2016), June 8--10, 2016, La Maddalena, Italy に採録が決定した。(II) 一般化将棋問題の定数時間アルゴリズム:将棋盤を√n×√nとし、王将以外の駒をO(n)個に増やした一般化将棋問題が定数時間検査であることを証明した。本結果は国際会議The 12th International Symposium on Operational Research and Its Applications (ISORA 2015), Aug. 21--24, 2015, Luoyang, Chinaにおける招待講演で講演し、特集号の電子ジャーナルIET digital libraryへ採録された。 (III) 引分けを考慮した一般化ジャンケンについて、引分け数の連続性を証明した。本結果はthe 18th Japan Conference on Discrete and Computational Geometry and Graphs (JCDCG^2 2015), Sept. 14--16, 2015, Tokyo, Japanで発表した後、Post-Conference Proceedingsに投稿し、採録が決定した。 (IV) 三並べに基づく新しいゲームである「共食い動物ゲーム」の論文がJIP (Journal of Information Processing)の特選論文(Specially Selected Paper)に選ばれた。
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