研究課題
本研究の目的は,幾何問題の背景空間次元を上げたり下げたりして別の次元の問題に翻訳することによって,計算効率と数値的安定性を向上させるアルゴリズム設計技法を開発することである.この目的に沿って研究を行い,次の実績を得た.前年度に開発した直線骨格線アルゴリズムを応用して,一般の古典的な幾何学錯視の数理モデルを構成した.これは2次元図形をぼかすと骨格線の位置がひずむというう性質に着目したもので,ミュラー・リヤー錯視,ポッゲンドルフ錯視,ポンゾ錯視,ツェルナー錯視などを統一的に説明できた.これは2次元図形を1次元骨格線へ移して解析する次元移動法である.立体を斜めに見下ろして水平面上に投影した像は,その立体の高さを反転させたものを反対側の視点から見下ろした投影像に一致するという幾何学的定理を発見し,これを利用することによって高さ反転錯視を生じる立体の設計法を構成した.これは,3次元の情報を2次元へ下げる次元移動法の原理を利用したものである.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
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