研究課題
最終年度である平成25年度は,アプリケーション適応型動的超多階層メモリアーキテクチャの確立を目指して必要な基本機能の詳細化に取り組み,その基本機能をソフトウェアシミュレータに実装し,様々な分野のアプリケーションを用いての動作検証と性能評価を通じて,その有効性を明らかにした.先ず,基本機能として,実際の利用状況である複数アプリケーションの同時実行時に,アプリケーションのメモリ要求に対して短時間で適切にメモリ資源を最適な形に再構成する機能と,マルチコアプロセッサ間での共有データと排他データの適切な管理が可能なキャッシュ配置・分割機能,データの再利用性を動的に判断し高い参照局所性を有するデータのみをキャッシュに配置することができるキャッシュバイパス機能,アプリケーションのメモリ要求に応じてバンド幅調整を行い電力あたりのメモリのデータ転送能力を最大化する機能などの詳細設計を行い,機能検証・評価ソフトウェアシミュレータに実装した.また,評価アプリケーションとして,画像生成・処理といったマルチメディアアプリケーションだけでなく,SPECベンチマークを中心に様々な分野のアプリケーションをベンチマークとして取り上げ,提案機能の有効性の評価を行った.得られた成果は,学術論文誌および国際会議発表論文として国内外で発表した.
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: E96-D(9) ページ: 2047-2054
10.1587/transinf.E96.D.2047
Proceedings of The 11th IEEE/ACM Symposium on Embedded Systems for Real-Time Multimedia
巻: ー ページ: 78―87