研究課題/領域番号 |
24650020
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中島 康彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00314170)
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研究分担者 |
原 祐子 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (20640999)
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キーワード | ディペンダブル / IGZO / 小型CPU / エミュレーション / 高信頼化CAD / PPC |
研究概要 |
本研究の実施項目は、3つの柱からなる。1.酸化亜鉛回路のデバイスモデル構築と基本セルの選定、および、回路規模評価のための高機能極小CPUの仕様策定と設計; 2.新素材デバイスに適合しレイアウト生成を可能にするCADシステムの構築; 3.不安定素子が混入する状況かつ低周波数動作でも実用に耐えるための、自己修復機能を備える多数演算器型アクセラレータ構成方式。 1.については、酸化亜鉛回路の実現が遅れているものの、CPUとして必要な機能を実現するためのトップダウン設計を完了した。エミュレーションに特化した8ビットCPUを設計し、FPGA上でエミュレータと組み合わせて32ビットOSが稼働しており、さらに、10000トランジスタ程度で実現可能な既存テクノロジによるレイアウトも完成した。 2. については、既存のシリコンデバイス用ソース付きフリーCAD(Alliance)を利用できる環境を構築した状態を維持している。 3. については、三重化を用いないシームレスな故障・不安定モジュール検出機構、故障個所の切り離し機構として、前述の8ビットCPUのネットリストを対象に様々な手法を提案し評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
連携研究者が実施中の材料開発自体は遅れているものの、本研究の主要な目標は、これら新素材を仮定したCPUの実現可能性向上である。効率の良いエミュレータを開発した結果、1万トランジスタで32ビットOSを稼働させることに成功しており、さらにゲートレベルの高信頼化手法と組み合わせて、経年劣化に対する耐性を高める部分冗長化技術および評価までが完了した状態にある。わずか2年で達成し論文化に至っていることから、当初の計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
連携研究者側では、IGZOによる基本ゲートとフリップフロップの設計が完了した状況にある。最終年度は、より大規模な回路のIGZOモデルに基づき、これまでシリコンテクノロジを借りて評価してきた上位設計をIGZOベースに移行し、提案手法の総合的評価を行う。
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