研究課題
センサネットワークの寿命を延ばすため,これを構成するノードの消費電力を抑える必要がある.本研究では,各ノードにスリープモードを導入し,ルーティングプロトコルの省電力化を実現することを目的としている.H24年度では,リアクティブ型ルーティングプロトコルAODVに,H25年度では,プロアクティブ型ルーティングプロトコルOLSRに対して,スリープモードを導入した.そして,シミュレーション実験により,提案方式は,AODVやOLSRよりも,センサネットワークの寿命がより長くなることを示した.一方,スリープモードを用いた既存の省電力化の研究では,消費電力を削減することを優先するあまり,ほぼ全てのノードをスリープさせてしまい,ユーザに十分な量の観測データを提供することを保証していなかった.この問題を解決するため,センサネットワークを任意のエリアに分割し,各々のエリアからシンクノードへデータが到達できるようにノードを配置するという制約の下,各エリア内で複数のノードがアクティブであることを保証するスリープスケジューリング方式を提案した.そして,シミュレーション実験により,提案方式がネットワーク寿命を延ばしつつ,各エリアから複数の観測データが送られることを示した.しかし,この方式では,エリア間のデータ中継を考慮したスリープ制御を行っていなかったため,スリープスケジューリングをしないときと比較して,シンクノードに到達するデータ量が減ってしまった.そこで,H26年度では,ノードの配置の制約をなくすため,エリア間での通信を保証し,シンクノードへの通信が失敗した回数に応じてアクティブノードの数を変化させるスリープスケジューリング方式を提案した.そして,シミュレーション実験により,平均バッテリ残量,平均到達パケット数,平均パケット損失数を比較し,改良前の方式と比べて,本方式が有効であることを示した.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)
Proceedings of 2014 Eighth International Conference on Innovative Mobile and Internet Services in Ubiquitous Computing (IMIS)
巻: 1 ページ: 316-321
10.1109/IMIS.2014.41