研究課題/領域番号 |
24650026
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 尚 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90201201)
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研究分担者 |
萬代 雅希 上智大学, 理工学部, 准教授 (90377713)
猿渡 俊介 静岡大学, 情報学研究科, その他 (50507811)
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キーワード | サステナビリティ / ルーチング / メディアアクセス制御 / 協調バッファリング |
研究概要 |
計画全体では以下の通信工学的アプローチを行った.A)バッテリ駆動(BT)ノードを用いた場合の自然環境への負荷軽減アプローチ B)エナジーハーベスティング駆動(EH)ノードを用いた自然環境への負荷低減アプローチ C)BTノードとEHノードを混在させ必要なノード数を最小限にするアプローチ.平成25年度は,特にA,Bについて以下を行った. 25-A) BTノードを用いる方法 複数シンクに分配して送信する方式の評価検討を行い,その成果をジャーナル論文として発表した.また,センサネットワークの省電力化の手法としてデータアグリゲーションなどを考察し,特にデータアグリゲーションの省電力化,データ正確さ,遅延の間のトレードオフ関係を明らかにした.この点をジャーナルに投稿した. 25-B)EHノードを用いる方法として,レートレス符号化を利用した方式を考案した.エナジーハーベスト型無線センサネットワークでは,得られる電力が環境に依存して不安定になるという問題が発生する.本研究では,電源が不安定であるという環境下でも高いデータ収集率を実現するレートレス符号化を用いたデータ収集プロトコル「Burnet」を提案した.Burnet では,過去に発生したセンサデータや他ノードから受信したセンサデータを複数選択してXOR 演算することで符号可パケットを生成して送信する.シンクノードでは,経路の途中で得られる電力が急激に変化して一部のセンサデータが損失したとしても,受信した複数の符号化パケットから損失したセンサデータを復元する.計算機シミュレーションによってBurnet を評価した結果として,既存のエナジーハーベスト型無線センサネットワーク向けのデータ収集プロトコルよりも高いデータ収集率を達成できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学術論文1報,研究会論文1報を出版しており,また発表学生は,情報処理学会マルチメディア,分差,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム優秀プレゼンテーション賞を受賞している.また,今年度の成果を元に,ジャーナル論文,国際会議論文を投稿する予定であり,学術的成果が得られていると考える.
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今後の研究の推進方策 |
開発した方式の効果をシミュレーションにより評価する.このために,計算機設備関連の消耗品などが必要となる.また,評価した結果を成果として発表するために,旅費等を使用する.さらに,複数センサーネットワーク統合,バックスキャッタ通信適用,M2Mへの展開などを検討するため,情報の収集や専門家との意見交換を行う必要がある.旅費をこの目的のためにも使用する.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた動向調査が時間的制約から行えなかったことなどが原因で約6万円が次年度繰越となった。 平成26年度に動向調査等を行うために旅費として使用する。
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