研究実績の概要 |
本研究は,自然環境への負荷が小さいサスティナブルセンサネットワークを構築する基礎技術を開発することを目的とした. 平成26年度は,バッテリ駆動(BT)ノードからなるセンサーネットワーク(BTネットワーク)に関しては,複数のBTネットワークが混在する環境下において両者を相補的に用いて省電力化を図るルーティング方式を考案した.また,エナジーハーベスティング駆動(EH)ノードからなるセンサーネットワーク(EHネットワーク)に関しては,無線電力搬送の基礎となる方式などを検討した.さらに,単純なセンサーからのデータだけではなく,各種機器からのデータを配信するM2Mネットワークへの適応を検討し,輻輳を回避し無駄な電力消費を削減する方式を開発した.これらについて,2014 IEEE International Wireless Communications and Mobile Computing Conference (IWCMC), 2015 IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC), 電子情報通信学会ネットワークシステム研究会,電子情報通信学会総合大会などで発表し,成果を社会的に公表した. 本研究期間全体としては,自然領域に人が立ち入る可能性を少なくするBTネットワークルーティング,メディアアクセス制御方式,エナジーハーベストを用いるEHネットワークルーティング,メディアアクセス制御などの技術を開発し,自然環境への負荷を抑制するセンサネットワークの基礎的知見が得られた.また,近年注目されつつあるM2MやIoTへの展開をも検討できた.その一方で,BTノードとEHノードが混在するBT-EHネットワークについては,机上検討に留まった.今後は,BT-EHネットワークの検討に加え,実用性を考えた画像や映像など大きなデータサイズを扱う方式の開発が必要であることが分かった.
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