研究課題/領域番号 |
24650031
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
砂原 秀樹 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 教授 (20206577)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | センサネットワーク / データトレーサビリティ / データ信頼性 |
研究概要 |
平成24年度はID付与及び管理の基本方式の比較検討及び必要となる基本機能の検証を行った。ソースデータとして考えられる人が発信する情報、センサが生成する情報、それらの情報を組み合わせる等処理を行った情報に分類した。分類した情報を具体的に生成し、情報をどう識別すると良いか検討を行った。その結果、IDと情報は分離して管理する方法が適切であることがわかってきた。また、具体的にいくつかのソースデータを基に考えた場合、IDとして個人の属性を基にハッシュ化したものを用い、各IDは各個人が管理出来る仕組みとする方式を検討した。これにより、ネットワーク上に流通する情報は生成されたソースデータの中から個人情報を除いた情報のみが流通するため、個人情報等の危険な情報は流通しない。また改竄などの問題が発生した場合は情報の所有者が管理しているIDと比較することで改竄の有無やデータをトレースすることが可能となる。これらのIDを管理する方法についてはこれまでデータの信頼性を表すメタデータ「信頼度」をスケーラブルに分散管理するアーキテクチャについて提案してきており、このアーキテクチャを応用することで実現可能と考え応用方法について検討した。提案アーキテクチャでは分散配置された計算機がそれぞれデータが生成する毎に信頼度を計算し自己管理している。IDの管理についてもソースデータが生成される毎にIDを計算し自己管理する。提案アーキテクチャを基にID等の入力・管理すべきデータを設計し試作を行った。100-150程度の計算機にID生成機構を組込み動作した結果問題無く動作することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は情報へのID付与方式の検討、スケーラブルなID管理方式の設計、実装、基本的な検証を行うことを計画していた。平成24年度の実績として概ね実現出来ており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はIDの付与方式についてダミーデータや簡易なデータを基に基本機能の検討、設計を行った。今後は検討した手法について試作を行い、実データ等実環境での検証、改善を行っていく予定である。IDの管理方式については平成24年度に簡単な試作まで行ったため、今後クラウド環境等を用いてスケーラビリティなどの性能評価や実環境での検証について行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は実装や検証を進めるために必要となる計算機リソースの購入を検討している。また平成24年度に検討した方式について専門家との議論や成果報告を行うため研究会等への参加旅費についても支出予定である。
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