研究課題/領域番号 |
24650031
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
砂原 秀樹 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 教授 (20206577)
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キーワード | 信頼性 / データトレーサビリティ / プライバシー保護 / パーソナルデータ |
研究概要 |
平成25年度は平成24年度検討したID付与及び管理の基本機能の試作・検討と実データ等を用いた実験の準備、環境整備を行った。平成24年度検討したIDと情報を分離して管理する方法を100-150程度の計算機上に実装した。一方で情報の利活用を考えると情報だけでは意味が解釈できず利活用が困難であることがわかったため、K匿名化した上で一部の属性情報と合わせて提供することでプライバシー保護や情報漏洩時のリスク軽減を行うとともに有効に情報の利活用が可能となる。この方式を試作し問題なく動作することを確認した。 これまで改竄などの問題に対応するためデータの信頼性を表すメタデータ「信頼度」について提案してきているが、本機構の社会的な受容性を考慮するとデータの信頼性だけではなく情報の流通経路や流通方法等についても考慮した信頼性指標も必要であることがわかってきた。そのため流通経路や流通方法等を考慮した信頼性指標について検討した。その結果、データの信頼性や経路、流通方法等の組み合わせパターンによって信頼性指標が決定できることが基礎的な実験からわかってきた。 実データを用いた検証に向けて、平成24年度から試作してきているシステムの性能評価やチューニングを行いスケーラビリティ等の面で改善を行い環境整備を行った。また実データを所持している企業や情報を利用したい企業等とも連携するためヒアリング及び打ち合わせを行い協力に向けて準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は検討した基本機能の試作を行い検証及び改善を行うことを計画していた。平成24年度の実績としておおむね実現できており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降はID付与及び管理の基本方式のさらなる改善を行うとともに、用いるデータや規模をより現実に近い形で検証を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文誌への掲載料を支出予定であったが、掲載の決定通知が遅れたため、使用額に差異が生じた。 平成25年度に予定していた論文誌掲載料として使用する予定である。
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