研究課題
拡張視覚復号型暗号は,復号にあたって計算を必要とせず,視覚のみによって秘密画像を見ることのできる暗号である.その例として透明シートを重ねると秘密画像が浮かび上がるものなどがある.これまで連続階調画像を暗号化しようとすると,ハーフトーニングなどの処理が加わるために,著しい画質劣化が避けられなかった.本研究では,連続階調画像を対象とした拡張視覚復号型暗号をターゲットに,暗号画像自体にも連続階調を利用する新たな暗号化方式を試みてきた.これによって連続階調のモノクロ画像の暗号化に際して画質を改善できるばかりでなく,従来はほぼ不可能であった物理的なカラー画像の暗号化実現への道筋が得られると考えられる.平成27年度は「連続値を用いた暗号化処理」について研究を進めた.従来の拡張視覚復号型暗号では,入力された連続階調画像を二値化してから暗号化処理を施していた.このため,画像の二値化と暗号化という二段階の処理において画質が劣化し,結果として大幅な画質劣化に至っていた.本研究では二値化と暗号化とを同時に処理すること,さらに結果の透明シートや秘密画像にも連続階調を利用した暗号化を試みた.二値化と暗号化との同時処理については一定の解決をみることができた.結果としてコントラストの拡大など,画質改善への寄与を確認できた.一方,連続階調を利用した暗号化方式については,特定解を得ることには成功したものの,最適解を得るには至らず,今後も検討課題として残されている状況にある.
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