研究課題/領域番号 |
24650036
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
竹林 洋一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10345803)
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研究分担者 |
石川 翔吾 静岡大学, 情報学部, 学術研究員 (00626608)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 加齢学 / コーパス / マルチモーダル / 発達 / 高齢者 / 行動記述 |
研究概要 |
マルチモーダル加齢行動コーパス実現に向けて、マルチモーダル高齢者行動センシング環境の構築を行った。幼児の行動観察の経験をもとに、実験に協力的な施設と家庭において、プライバシーを考慮した映像データ蓄積システムを開発し、実験協力者のヒアリングを行い、問題点や検討項目を洗い出した。 行動データの記述・抽出可能なマルチモーダル行動分析システムを開発し、高齢者の行動観察を通じて、高齢者の行動特徴を抽出する仕組みを開発した。 センサデータに対し行動記述を行うために,複数のセンサを統合的に見せるビューの仕組み、行動記述の構造を逐次変更し深化させる仕組み、異なる観点で付与した複数の記述構造を組み合わせた検索の仕組みを実装した。 個々の特徴に応じた行動記述関数の設計が今後の課題であり、幼児の行動記述に使用した行動記述関数を活用し、高齢者と幼児の対比で分析することができ、個々の特徴に応じて逐次関数の追加・修正を行えるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者や認知症の人に関わる医療福祉の関係者とのネットワークができ、子どもの発達と高齢者の加齢や老化を対比して検討することの意義重要性が認められてきた。人工知能学会の近未来チャレンジでも講演し、マルチモーダル行動コーパスを基軸にした研究の有効性が明らかになってきた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はコーパスに基づく行動退化モデルの構築と高齢者支援サービスの提供を行い、コーパスに基づく行動退化モデルを構築する。 行動記述データをベースに複数の意見を持ち寄って、行動退化モデルの観点や表現方法を決定するための仕組みを開発する。特に、時系列的な振る舞いの変化を表す行動退化モデルを検討する。 加齢によって対象の焦点化により、状況認知に関わる機構がうまく働かず、また注意の分散が働かなくなることなどを表現する。加齢に伴う行動の差をモデル化することができ、類似した状況の選定や行動記述リストのまとまりで意味づけを行うことを可能とする。 子育て支援サービスとともに、ニーズの高い高齢者支援サービスを試行する。対話型コンテンツプレイヤーBalloonNaviシステムを用い、個人に応じたコンテンツの提示、使用した結果のフィードバックを通じ、サービスの展開を加速する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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