本研究では高速で運動する動体に輝点を表示し,残像を通して対象より大きなパターンを提示する新たなディスプレイの実現を目標として,その実現のために必要となる人間の知覚特性について研究を行った. まず,提案原理での知覚確認実験から提案する手法での残像知覚が可能であることを示し,少なくとも目標とするディスプレイ手法が実現可能であることを示した.次により具体的に映像が提示できる条件を調べるために,人間の眼における残像特性の要因について静止スクリーン上と動体軌跡上とで調査した.結果として,動体軌跡上では認識率が落ちるものの,特定の条件下では目標とするディスプレイ実現の可能性は十分に示された.
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