研究課題/領域番号 |
24650062
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
湊 真一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (10374612)
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研究分担者 |
喜田 拓也 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (70343316)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | BDD / ZDD / 簡潔データ構造 / 離散構造 / 論理関数 / 組合せ集合 |
研究概要 |
BDD(Binary Decision Diagram; 二分決定グラフ)は、論理関数や組合せ集合を圧縮して索引化するデータ構造であり、実用的な場面で1000 倍以上の圧縮率が得られることがあるため、近年、様々な用途に広く応用されている。しかしBDD ではポインタやハッシュ表のために数十倍の定数ファクタの記憶量を使用するため、BDD の圧縮率があまり高くならない例題に対しては、単純なビット列表現に比べて効率が大幅に悪化することがある。本研究計画では、ポインタやハッシュ表を極力使用せずに極限的に簡潔なBDD データ構造を研究し、最悪のケースでも単純ビット列とほぼ同等の記憶効率が得られるような、真に有効な圧縮データ構造を目指す。さらに、そのような簡潔なBDD データ構造を有効に活用する演算処理アーキテクチャを明らかにする。 今年度は、BDDの構造情報をビット列に圧縮して格納することで、極限的に簡潔なBDD構造を生成するアルゴリズムの基盤を構築した。さらにRank/Select 辞書の技法を用いて、メンバシップや要素数のカウント、制約条件による絞り込み等、種々のクエリ演算を高速に実行するための補助データ構造を追加する方法の検討を進め、記憶効率と演算速度のトレードオフの見極めを行った。さらに、極限的な簡潔構造の技術をもとにして、現実的な大規模疎行列を扱う問題を高速化する簡易な手法を考案した。本研究成果は、国際会議ALSIP2012および電子情報通信学会コンピュテーション研究会で発表を行った。さらに国内外の著名研究者と活発に意見交換し、今後の研究の方向性について知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズムを実装して基盤的な評価を行った。本成果は学会発表も行っており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には現在の状況でほぼ順調と考えており、このままの方針で研究を一層推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
経費の節減により生じた未使用額については、学会参加のための旅費・参加費や、情報収集のための講演謝金、研究用のPC等の少額備品等に追加充当する予定である。
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