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2012 年度 実施状況報告書

音声対話における発話からの話者の個人性検出

研究課題

研究課題/領域番号 24650066
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関名古屋大学

研究代表者

松原 茂樹  名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20303589)

研究分担者 大野 誠寛  名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (20402472)
笠 浩一朗  名古屋大学, 国際開発研究科, 助教 (40397451)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード音声言語 / 音声対話 / コーパス / 話者特徴 / 自然言語 / 情報抽出 / 言語資源 / テキストアノテーション
研究概要

本研究は、音声対話システムにおいて、相手に応じて話し方を使い分けるユーザ適応機能の実現に向け、発話から話者の個人性を検出する技術の実現性について検証すること目的としている。話者データが存在する発話テキストを大規模に分析することにより、話者の個人性に関わる要因を音声、及び、言語の視点から明らかにすることを目指す。上述の目的を達成するために、初年度は、研究の基盤として、名古屋大学音声対話データベースに収録されている対話データ及び被験者データを用いて、話者の個人性を特徴付ける要因と発話の特徴素との関連性の分析を実施した。対話データには、被験者と案内役との対話音声が収録されており、被験者の発話(音声・テキスト)を使用した。また、被験者データには、被験者に関わるデータが含まれており、個人性を表す情報として用いた。具体的には以下の項目の研究を推進した。
1.発話からの特徴抽出:音声及び言語の観点から発話を特徴付ける要因の抽出を試みた。音声データにおいては、発声タイミング、話速、ポーズ長を、また、言語データでは、語彙、形態素列、構文、文末表現を特徴素とした。特徴抽出のための方法論を検討し、個人に特有のフレーズを検出するモデルを作成した。モデルでは、フレーズの頻度、個人への偏り、対話トピック依存性などの観点から形式化した。対話データを用いた抽出実験を実施し、良好な結果を得ることができた。
2.個人性データの整備:話者に関する個人データを、本研究でのアクセス性を考慮して整備した。話者データに収録されている被験者データについて調査するため、被験者個人に関する印象の調査を実施した。両データを比較し、個人データの傾向を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発話からの特徴抽出課題に対し、すでに話者に特有のフレーズ抽出モデルを実現し、データを用いた実験・評価を与えるに至っている。この課題は、初年度の中心的なテーマであり、良好な成果を得ている。個人性に関する音声対話データの整備についても、計画通り作成作業を開始しており、本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

個人性に関するアノテーションが与えられた音声対話コーパスを用いて、音声から個人性を検出するためのモデルを開発することを計画している。具体的には、発話の特徴と個人性との関係に関する分析を深め、知見を明らかにするとともに、それをもとに、音声データからの検出モデル、及び、言語データからの検出モデルを実現することを計画している。最終的には、これらのモデルを統合した個人性検出技術の開発を目指す。
現状において、研究を遂行する上での問題点などは発生しておらず、研究計画の大きな変更を要する状況にはない。

次年度の研究費の使用計画

今年度に作成作業を介したアノテーションデータの整備については、来年度も引き続き作業を継続する予定であり、データ作成に関する費用と次年度に支出する予定である。また、検出モデルの実験的検証については、大規模データを用いることが必須であり、高速計算性能を備えたサーバが必要であり、検証環境が整い次第、導入する予定である。次年度は、研究成果の公表を積極的に進める計画であり、旅費や掲載料などの支出を見込んでいる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 同調的音声対話システムのためのユーザに特徴的な発話フレーズの検出2013

    • 著者名/発表者名
      西田潤
    • 学会等名
      情報処理学会第171回知能システム研究会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      20130318-20130319
  • [学会発表] 感性ロボティクスの未来を拓く言語の理解と生成2012

    • 著者名/発表者名
      松原茂樹
    • 学会等名
      第14回感性工学会大会
    • 発表場所
      東京電機大
    • 年月日
      20120830-20120831
    • 招待講演
  • [学会発表] Personalization of News Speech Delivery Service based on Transformation from Written Language to Spoken Language2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Matsubara
    • 学会等名
      IIMSS-2012
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20120523-20120525
  • [学会発表] Personalized Text Formatting for E-mail Messages2012

    • 著者名/発表者名
      Masaki Murata
    • 学会等名
      IIMSS-2012
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20120523-20120525

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公開日: 2014-07-24  

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