研究課題/領域番号 |
24650066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松原 茂樹 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20303589)
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研究分担者 |
大野 誠寛 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教(Research Associate) (20402472)
笠 浩一朗 名古屋大学, 国際開発研究科, 助教(Research Associate) (40397451)
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キーワード | 音声対話 / 自然言語処理 / 音声言語 / 個人性 / コーパス |
研究概要 |
本研究では、適応的な音声言語システムの実現を目指し、話者の個性に関わる要素を検出する技術の実現性について検証することを目的としている。そのために、話者の個人性に関する要因を、音響的及び言語的視点から捉え、大規模コーパスを用いて学習するというアプローチを採用する。25年度は、音声対話における話者の発話から個人性を判定する手法を開発し、実験によりその利用可能性に関する評価を実施した。話者の個人性として性格に着目し、対人認知に関する先行研究に基づき、本研究で対象とする性格を設定した。自動車内での対話で利用することを想定し、車内音声対話コーパスを発話データとして使用した。コーパス内のユーザ発話に対して性格タグ付けを大規模に実施した。作成したタグ付けデータの分析を通して、性格の検出に関わる特徴素を獲得し、検出モデルを開発した。音声対話データを用いた性格識別実験により、話者発話からの個人性検出の実現可能性を確認した。また、話者の個性検出の応用として、応答タイミング技術、及び、文生成技術に関する基礎的研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である話者発話からの個性検出に関して、課題として計画した、個性タグ付きデータの作成と分析、個性検出モデルの開発、及び、実験による評価、を実施するとともに、また、個性検出の応用可能性の検討についても取り組むことができ、研究はほぼ予定通り進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、話者発話からの個人性検出の実現可能性を確認できたものの、その有効性を実証するには、検出された個人性の利用可能性を検証する必要があることが判明した。本研究の今後の推進方策として、音声対話システムの対話方略の使い分けにおいて有効利用できることを示す。具体的には、音声対話システムが話者にとって適切な語順で発話文を生成できること、及び、適切なタイミングで応答すること、を対象として定め、研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度までに、音声コーパスへの個性タグ付け、個性検出のモデル化と検出手法の開発、検出手法の性能評価、及び、個性化検出の応用可能性の検討を実施する予定であったが、本研究の最終目標である個性化検出の有効性を示すために、対話システムの対話方略に応用し評価することを次年度に実施することとしたため、次年度使用額が生じた。 次年度は、応用のための評価データの作成と評価実験、ならびに、学会大会、国際会議、学術雑誌等での成果公表を予定しており、未使用額をその経費にあてることを計画している。
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