研究課題/領域番号 |
24650068
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80418772)
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キーワード | 共起 / 階層型クラスタリング / 頻出パターン / 地震 / 相互作用 |
研究概要 |
本年度は,昨年度考案した共起クラスタマイニングアルゴリズムを地震の震源リストデータに適用し,地震間の相互作用抽出に関して詳しく分析を行った.その結果,一部の抽出パターンは,地震学の文献とも一致が見られ妥当と思われる地震発生パターンが確認された.その一方で,プレート境界付近の離れた地域間の相互作用など興味深いパターンも抽出された.提案法の地震データへの応用に関して,本年度は地球惑星科学連合大会にて研究発表を行い,有益な示唆を頂いた.さらに,事象間の共起性の抽出に関して,事象発生の前後関係や時間間隔をモデル化して,共起パターンとして抽出するためのアルゴリズムの改良について検討した.具体的には,互いに関係する事象同士の発生間隔もポアソン分布に従うと仮定し,ベイズ推定により事後確率を推定すると共に,そのモデル尤度を共起度合いとする.そして,従前の共起クラスタマイニング同様に,候補共起クラスタから共起度合いが高く,かつクラスタ密度が高いクラスタ対を共起パターンとして抽出する方法である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は概ね順調に進んでいる.本年度は,提案アルゴリズムの地震応用に関して,東日本大震災後の地震間の相互作用抽出について詳しく分析を行った.2012年の震源リストデータを追加すると共に,1997年以降の日本全土の震源リストも追加しデータを充実させた.地震応用に関して,現在論文を投稿中である.また,共起クラスタマイニングに事象の前後関係や時間間隔を追加する改良にも着手している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,本年度の検討結果を踏まえ,事象間の前後関係や時間間隔をモデル化し,共起クラスタマイニングアルゴリズムを改良する.本改良アルゴリズムを計算機上に実装し,人工データで特性を確認すると共に,燃料電池の損傷試験データや震源リストデータに適用して,従来法では不可能であった損傷や地震の前後関係や時間間隔を含む相互作用の共起パターン抽出を行う.年度内には間に合わないかもしれないが,著名な国際会議や主要国際ジャーナルへ投稿する.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は,地震応用に関して査読あり主要国際会議への投稿,ならびに提案共起クラスタマイニング法とその応用に関して論文誌に投稿し,そのための海外旅費や掲載料を予定していた.研究は概ね順調に進んだものの,論文は残念ながら一度不採録となったため,その分に関する本年度の支出はなくなった. 追加実験を行ったり論文を推敲したりして,論文は再投稿中であるため,海外旅費および論文掲載料は,次年度支出予定である.
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