研究課題
奥行き方向の計測を超音波で、その鉛直面方向の2次元位置をカメラで計測することによる高精度モーションキャプチャシステムを提案した。これまでの研究で構築した位相一致法と呼ばれる手法は、3mの測距で0.030mmの標準偏差という極めて高精度の測距が可能である。しかし、超音波のみを用いた3辺測量の場合、基線長(ベースライン)の長さと精度が正の相関となる。つまり、高精度の超音波測距であっても基線長が短ければ3次元位置計測の精度は悪化する。長い基線長システムの大型化を意味するため可搬性に乏しくなるという欠点がある。そこで本研究では超音波測距と画像計測の利点を組み合わせることで、この問題を克服した。提案システムは、安価な小型カメラと超音波送受信機のみのコンパクトな構成(カメラと超音波受信機からなるデバイスの大きさは55mm x 44 mm)である。超音波測距の問題として、超音波送信機の指向性が挙げられる。つまり、送信機の方向によって送信される信号の位相が変動するため、計測値の精度は高いが、誤差を含む測距となる。よって、本研究では、サンプリングされた異なる複数位置のターゲットの距離を事前に計測し、それを基に位相補正曲面を作成した。次に、画像計測で得られる2次元位置から補正面上での測距補正量を計算することで、より正確な3次元位置計測値を得られるようにした。評価実験の結果、静止ターゲットおよび移動ターゲット(1.0m/s)の2乗平均誤差(RMSE)はそれぞれ1.20mm, 1.66mmとなり近年のモーションキャプチャシステムとほぼ同等の性能を示すことを確かめた。
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Journal of Location Based Services
巻: Volume. 8, Issue 1 ページ: 18-35