研究課題/領域番号 |
24650082
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
槇原 靖 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90403005)
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キーワード | 画像、文章、音声等認識 / コンピュータビジョン / パターン認識 / 生体認証 |
研究概要 |
P2) クロスモーダルバイオメトリクス P2-1) 観測条件変化への対応 P2-1-1) データセット 提案手法の実問題への応用の第一段階として,クラス内分散がクラス間分散を凌駕するような条件下での生体認証の問題を取り扱う.特に,ここでは申請者らが継続的に研究を行っている歩容認証を取り上げ,クラス内分散としては,公開データベースであるOU-ISIR Gait Databaseに含まれる観測角度の変化を対象とした. P2-1-2) 実験方法 まず,観測方向をクラスタリングし,その状況クラスタの識別のための判別空間を構築した.次に,各クラスタをそれぞれ異なる特徴空間として見なすことで,クロスモーダル判別分析を適用した.識別の結果は,生体認証で一般的に用いられる累積識別精度特性(CMC)曲線や受信者操作特性(ROC)曲線によって評価した.結果として,従来手法である生成的手法に基づく方向変換モデルと比較して,等価誤り率を半分以下に低減した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,昨年度定式化したクロスモーダル判別分析手法を,観測条件が変化する歩容認証の問題に適用して,有用性が確認できていることから,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
提案手法であるクロスモーダル判別分析は,識別能力が高い一方,学習データ数が十分で内場合に,過学習により汎化誤差が増大するという問題点も明らかとなってきた.そのため,今年度は,クロスモーダル判別分析に,汎化誤差の低減に有効であるとされているテンソル表現による判別分析手法を組み合わせて定式化することで,汎化誤差の低減を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度は,研究代表者らが既に収集済みの歩容データベースを中心とした実験を行ったため,新たにデータ収集をするために積算していた物品費や被験者アルバイト謝金が減少したため,次年度使用額が生じた. 次年度は,クロスモーダルバイオメトリクスの汎化性能向上を目指すために,特任研究員が定式化や実装をするため,次年度使用額は特任研究員への謝金として充当する予定である.
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