25年度成果としては耳鳴りとして聞こえている音の周波数を推定できた。 本研究は2年間を通して、まず1年目は耳鳴りを感じる際の脳波に着目し、慢性的に耳鳴りがある患者に耳鳴りを感じた際に脳波を取得させてもらい、さらにその脳波の特徴を解析した。その結果、耳鳴り患者が耳鳴りを強く感じている際の脳波と健常者の脳波には大きな差がある事を突き止めた。とくに、耳鳴りを伴う患者と健常者の脳波には○Hzに特徴があり、この周波数のみを見るだけで耳鳴りを感じているかどうかをパタン認識することができた事は1年目の大きな成果であった(1年目) 我々は、耳鳴りを軽減する方法には耳鳴り音の逆位相の音を流すことで耳鳴り音の軽減ができるものと仮説を立て、2年目(25年度)は逆位相を流すために必要な「聞こえている耳鳴り音の高さの推定」に着目した。 耳鳴りを慢性的に感じる患者、健常者を対象に、単一周波数の音を人間の可聴範囲である20-20KHzの音を10Hz間隔で聞かせ、その脳波を採取した。 これら単一周波数音を聞いている際の脳波特徴を細かく解析し、ジイジイなどと表現される耳鳴りの音の高さを脳波の特徴を見ることで聞こえている耳鳴りの音の高さを推定することに成功した。通常はピッチマッチ法と呼ばれる方法で、耳鳴り音の高さを推定する方法が取られている。しかし、この方法は測定検査を行う場所が制限されている。我々は簡易な脳波計測装置を用いて耳鳴り音の高さの推定することに成功した。特に、低い耳鳴りを感じている場合は脳波の高い周波数に特徴が表れることも突き止めた。
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