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2013 年度 実施状況報告書

社会的関わりによって発展・変化する報酬獲得戦略のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 24650102
研究機関筑波大学

研究代表者

尾崎 繁  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60292546)

研究分担者 水挽 貴至  筑波大学, 医学医療系, 助教 (60463824)
キーワード感性情報学 / 動物モデル
研究概要

我々は自身の幸福の追求と社会的関わりの狭間で、様々な経済・社会活動を繰り広げている。このような複雑な社会環境・社会条件を実験的に再現し、その報酬獲得の行動戦略をモデル化することが、本研究の目的である。その第一歩として、人の特質に類似した向社会性と長期的報酬予測の能力に長けた動物(コモンマーモセット)を実験対象に、他個体との関わりによって報酬獲得の確率が変動する“社会的行動決定課題”を開発し、その報酬戦略行動をモデル化する。社会との関わりが発展・変化する中で、どのように報酬獲得戦略を構築していくのか、本研究はその原理を動物モデルを用いて探索する。
【当該年度の研究成果】飼育馴化を完了したコモンマーモセット成体(雌4頭、雄1頭)を用い、以下の実験を行った。1)“社会的行動決定課題”の根幹となる報酬獲得課題の実験:タッチパネルモニタに提示される視覚刺激へのタッチ応答に対して報酬(ジュース
)を与える実験記録システムを構築した。このシステムを用いて、雌4頭に報酬獲得行動を習得させた。2)個体間の関係を樹立する過程を観察する実験:通常は単独飼育の動物2頭を出会わせ、個体間行動の変化を観察するためのシステムを開発した。雌雄各1頭の動物が互いを認識して軽度に接触できるよう、隣接する飼育ケージの間仕切りの一部を網に改造し、それぞれの個体が網に触れたタイミングを電気的に検出して個体間行動を記録するシステムを構築した。雌雄ペアを短期間出会わせる実験をビデオ録画と同期させて記録した。その際の動物のストレス応答を尿中コルチゾール濃度を指標としてを生化学的に評価した。3)他個体と関わりのなかで報酬を獲得しようとするときの個体間行動を解析するための実験システムの開発に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題の遂行に必要となる、それぞれの実験システムと実施環境を整備しながら、動物の課題トレーニングとその行動の観察、解析を行った。今後はそれぞれのシステムに改良を加えつつ、実験データの収集と解析を進めていきたい。

今後の研究の推進方策

当初の方針に従って研究を推進する。動物の報酬獲得課題の基本的トレーニングは完了しているので、個体間行動を含むより効果的な課題を開発し、それを動物に学習させ、“社会的行動決定課題”の構築へ発展させる。個体間関係の構築の実験では、ストレスによる動物の変調や動物同士の攻撃による傷害等の防止に最大限留意しつつ、各個体が互いを認識して個体間関係を構築する過程の行動等の変化を観察しながら、雌雄のペアリングへとつなげる。

次年度の研究費の使用計画

実験システムの開発に要した使用額が、それぞれの単価および数量において見込みを下回った。また、開発中の実験システムの複数化にまでは至らなかったため。
次年度においても実験システムの開発を継続するので、その改良や複数化等に費やす経費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 感性を測るための脳科学の流儀(シンポジウム「脳科学の流儀:感性を測るということ」)

    • 著者名/発表者名
      尾崎 繁
    • 学会等名
      第15回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] 霊長類動物モデルにおけるストレス応答の評価

    • 著者名/発表者名
      尾崎 繁、久野節二
    • 学会等名
      第15回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      東京
  • [図書] 感性認知脳科学への招待2013

    • 著者名/発表者名
      尾崎 繁(編者・分担執筆者)
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      筑波大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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