本研究の目的は、ヒトと類似の向社会性を示すマーモセットを実験対象に、社会的関わりの中で繰り広げる報酬獲得の行動戦略を実験的に再現し、その報酬獲得戦略の原理を探索することである。そのために、他個体との関わりにより報酬獲得確率が変動する社会的行動決定課題を開発し、その行動のモデル化を目指した。動物がモニタに提示される視覚刺激にタッチ応答し、報酬(ジュース)を獲得する行動を学習させた。次に、2個体を隣接させて報酬獲得課題を実施する実験記録装置の開発を行った。マーモセットの特性を活用した社会的行動決定課題の開発は、他者との関わりの中で行動選択する原理の理解と感性工学的応用に貢献できると考えられた。
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