研究課題/領域番号 |
24650105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河野 憲二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40134530)
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研究分担者 |
松田 圭司 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50358024)
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キーワード | 眼球運動 / 計測装置 / ヒト / 両眼 / 輻輳運動 |
研究概要 |
本研究は、ヒトが豊富な視環境の中から処理すべき対象物を抽出し、視線を向けるときに起こる輻輳眼球運動とサッケード運動を調べることにより、実世界環境下で対象物の存在を感じ、眼を向けるための視空間情報処理を明らかにしようとするものである。そのため、輻輳眼球運動とサッケード運動を計測するための高精度の眼球運動計測システムを新たに開発する。この高精度の眼球運動計測システムを用いて実世界環境下で被験者の眼から様々な距離に付置された対象物に視線を移す時の輻輳眼球運動をサッケード運動と同時に計測する。この結果を解析することにより、実世界環境下での視覚情報処理についての新たな知見を得ることを目指している。 平成25年度は、ヒトの輻輳眼球運動を計測するための高精度の眼球運動計測システムを開発することを目標として研究を始めた。このシステムは赤外線で眼球を照射し、両眼を高速ビデオカメラで撮像し、それぞれの瞳孔を楕円近似し、回転角を計測する手法を用いるものである。この新しいシステムを用いて、ヒトの眼球運動を計測し、短時間で輻輳眼球運動を計測することが可能なアルゴリズムを完成させることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトを対象として使用することのできる高精度の両眼用の眼球運動計測システムを新たに開発することが本年度の研究計画の目標であった。 このシステムは赤外線で眼球を照射し、両眼を高速ビデオカメラで撮像し、それぞれの瞳孔を楕円近似し、回転角を計測する手法を用いるものである。平成25年度に、ヒトを被験者とし、両眼の眼球運動を同時に高精度に計測することのできるシステムを開発した。このシステムを用いることで、ヒトの輻輳眼球運動を計測し、両眼の視線ベクトルから見ている視点の3次元空間内での位置を計算し、その軌跡を3次元座標で表示することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに作り上げた眼球運動計測システムがより高い精度が得られるまでシステムの改良を重ね、両眼用の眼球運動計測システムを完成させる。次にこのシステムを視対象物が豊富にあるに環境に持ち出し、実世界環境下でヒトの眼球運動の計測に適用できるよう周辺機器の簡素化を図る。眼球運動のダイナミクスが実世界環境下で物体を見ている時と、実験室内のコンピュータディスプレイ上の刺激を見ている時とでどのように異なるか、定性的な観察を行う計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
両眼の眼球運動計測用の高速、高精度のカメラの発売が遅れたため、このカメラを用いて作成するセットに要する費用を次年度に残した。 システムが実空間での両眼の眼球運動を手軽に計測できるように、新しい高速、高精度のカメラと周辺機器を整えるため物品費を使用する。研究の成果を発表するため、学会発表を行う予定であり、そのため、旅費と学会参加費を使用する。また、分担研究者との打ち合わせのため旅費を使用する。
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