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本研究は、ヒトが豊富な視環境の中から処理すべき対象物を抽出し、視線を向けるときに起こる輻輳眼球運動とサッケード運動を調べ ることにより、実世界環境下で対象物の存在を感じ、眼を向けるための視空間情報処理を明らかにしようとするものである。そのた め 、輻輳眼球運動とサッケード運動を計測するための高精度の眼球運動計測システムを新たに開発する。この高精度の眼球運動計測システムを用いて実世界環境下で被験者の眼から様々な距離に付置された対象物に視線を移す時の輻輳眼球運動をサッケード運動と同 時に計測する。この結果を解析することにより、実世界環境下での視覚情報処理についての新たな知見を得ることを目指している。
平成27年度は、ハーフミラーを使って遠位と近位の２ヶ所の正確な位置に視覚刺激を呈示するシステムを開発し、これまでの研究で作成した高精度の眼球運動計測システムを用いて、輻輳眼球運動とサッケード運動が同時に行われたときの眼球運動を計測した。輻輳眼球運動は常にサッケード運動に先行して起こった。視覚刺激のサイズを変化させて調べたところ、輻輳眼球運動の潜時は視覚刺激のサイズに依存することがわかった。
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