本研究では、輻輳眼球運動とサッケード運動を計測するための高精度の眼球運動計測システムを開発した。赤外線で眼球を照射し、高速ビデオカメラで撮像した瞳孔を楕円近似し、回転角を計測する。まずマウスを対象として短時間で校正が可能なアルゴリズムを完成させた。次にサルを対象としたシステムを完成させ、このシステムとサーチコイルを使ったシステムを用いて眼球運動を同時計測し、開発したシステムの精度を確認した。さらに同じシステムをヒトの両眼眼球運動計測に適用した。計測実験の結果、近い位置と遠い位置に置いた視覚刺激を交互に見た時、輻輳眼球運動とサッケード運動の間に相互の干渉作用があることが明らかになった。
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