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2013 年度 実施状況報告書

視覚認知心理学に基づく主観的はやさ・主観的大きさに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24650108
研究機関九州工業大学

研究代表者

吉田 香  九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (60315174)

キーワード認知心理学
研究概要

情報システムを利用するユーザの満足度(快適度)を向上させるためには,錯覚を利用してでもユーザが快適であると感じる方法で情報を提示することが有効であると仮定し,視覚認知心理学で得られた知見を情報システムの効果的なインタフェース設計に応用することを目的とする.特に,情報機器を利用した情報提示空間において錯視現象を実験的に再現し,主観的はやさ・主観的大きさに着目してデザイン要素を考察することにより,ユニバーサルデザインのためのインタフェース設計の指針を拡張することを目指す.
平成25年度は,異動先で学内の有料実験スペースを賃貸契約し,プロジェクタ2台および計算機を設置し,壁面,床面に実験素材を映写できるよう,情報提示空間を整備した.プロジェクタ2台は,壁面,床面に実験素材を映写した際,キャリブレーションに利用できるよう,ユーザの影が壁面,床面に射影されるように設置した.また,平成24年度に準備した実験素材を壁面,床面に映写し,錯視をはじめとする視覚認知現象を観察した.その結果,次の2点の問題が発生した.1点目は,キャリブレーションのためにユーザの影が壁面,床面に射影されるようにプロジェクタを設置したことに起因し,没入感が損なわれた.2点目は,準備した実験素材のうち,錯視現象を想定した動画像において,ユーザの平衡感覚が損なわれた.これらの問題の解決法として,ユーザの影が射影されない環境において平衡感覚が損なわれない実験素材によって主観的印象の調査を行うこととした.平成25年度の主な研究成果としては,主観的はやさに関する考察として,情報提示条件を統一し,形状の違いのみによって起こる主観的印象を調査し,主観的に待ち時間を短く感じさせる情報システムのデザイン要素の一要因を明らかにすることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度に準備した実験素材は,PCモニタ上での提示においては問題が起こらなかったが,整備した実験環境での提示においては,ユーザの没入感および平衡感覚が損なわれるという重大な問題が発生した.勤務地異動にともなって平成24年度から平成25年度に変更した実験環境整備は当初の計画以上に進展したが,前述した予想外の問題が発生し,実験環境の再整備および実験素材の変更が必要となったため.

今後の研究の推進方策

整備した実験環境において,ユーザの没入感および平衡感覚が損なわれないような実験素材を用いて実験を行う.

次年度の研究費の使用計画

平成25年度未使用額が生じた理由は,(1)平成25年度より他キャンパスに異動したため,(2)平成24年度に産前産後休暇・育児休業で研究開発を一時中断し,研究計画を変更したためである.
平成26年度は,平成25年度未使用額によって,変更後の研究計画に沿って研究開発を行う.また,整備した実験環境において実験を行い,研究成果を発表する.

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公開日: 2015-05-28  

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