研究課題/領域番号 |
24650117
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池上 高志 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (10211715)
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研究分担者 |
廣瀬 通孝 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40156716)
岡 瑞起 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 助教 (10512105)
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キーワード | センサーネットワーク / ライフログ / カオス / バースト |
研究概要 |
成果は2つある。一つ目は、実際に インテリジェント・センサーネットワークを構築してそのダイナミクスを調べる。8つのセンサーユニット(2つのセンサー(IRセンサーとアンビエント・ライト)をそれぞれ備え、そのセンサー値を使ってセンシングのサンプリング値を制御する。またセンシングされた値を別のユニットにワイアレスで飛ばす仕掛けを内蔵する)を自作し、8個のユニットを組み合わせてセンサー・ネットワークを構成した。国内では研究室や街の本屋に配置し、1週間以上動かした場合どのような変化をするか、置かれた場所に依存してどのようなダイナミクスが出現するかを実験した。このシステムの最大の特徴は、各センサーユニットのサンプリングレートが自律的に可変的であるように設計してある点にある。 この成果は、シンガポールでのIEEE国際会議のALIFE section(2013年4月)で口頭発表することができた。 2つ目は、この理論的なモデルの作成である。シミュレーションでは、センサーの数を数百にすることが可能となり、そこで実験でみたのと同じような、サンプリングレートに相当する変数のカオスへの分岐をみた。それに加えて、1次元のリング状に配置したセンサーの間を間欠的に情報がめぐるパターンが見出された。さらに大域的に同期したバーストが起こることが見出された。大域的なバースト現象はほかのTwitter systemなどでも見つかっており、これらをあわせて現在論文として準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際のセンサーネットワークの実装に成功し、そこでみられるサンプリング・レートの分岐現象を見出すことが出来た。しかし実際このプロジェクトは、ライフログ的な観点を基盤科学として提出することにある。そのためには、廣瀬研などの実験に対する、理論的な整備が必要である。それがいまのところ不十分といえる。
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今後の研究の推進方策 |
したがって、本年度は、ライフログをベースにした科学の創出にむけて、共同研究者との交流を深め、新しい科学分野の創出に時間をつかいたいと考えている。
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